永い言い訳


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西川美和監督の描く物語がとても好きだ。エッセイもいい。わかり易く泣かせる場面があるわけでは無いのに、涙がボロボロ出てくる。登場人物の、焦りや後悔、罪悪感、心の変化、気付き、喜び、悲しみに、胸がいっぱいになって泣けてくる。何となく見ててもダメで、一生懸命集中して観る、読む。誰かが死ぬ、とか、離れ離れだった親子の再会、とか感動の涙じゃなくて、多分、その人物の心に、すごく共鳴して涙が溢れるのだと思う。

 

それから、映画が映画として面白い、というのが良い。単館系の映画は、監督のこだわりだけが伝わってくるものもあって好きじゃないのも多い。奇抜ではないのに個性的、かつ下品にならない。この方のセンス、とても素敵だと思う。

 

永い言い訳は小説を読みながら、ボロボロ泣いた。そして、キャスティングにまつわるエッセイを読みながら泣き、映画を久しぶりに観てまた泣いた。

 

素晴らしき世界はどんな映画だろうか。